始めようと思ったその日が、カツカレーの日だった。あと10kg増えるだけで、大台「100kg」 大台とは一体何なのであろうか? 一般論でいえば、「金額・数量の、大きな境目となるような、けた」なのだ。 私論でいえば、100kgを大きな境目として、ぽっちゃり、デブということである。 これは、いよいよまずいのではないか。 ダイエットを決意したのは、健康診断の帰り道だった。 血液検査の用紙に並ぶ「要注意」の文字たち。 先生の「少し痩せましょうね」の笑顔が、なぜか悪魔のささやきに聞こえた。 よし、今日から変わろう。心を入れ替えよう。 そう誓ったその足で立ち寄った昼食が、よりによってカツカレー。 香りに脳が完全降伏し、「明日から本気出す」と、最初の敗北宣言。 夜は同僚の送別会。乾杯のビールが光り輝いて見える。香るホップ。 「今日は特別だから」「最後の晩餐だから」と自分を甘やかす天才。 家に帰って体重計を見るも、電源が入らないふりをした。 翌朝、SNSで「20kg達成!」という投稿が目に入る。 笑顔でピースする知らない人。 なんだこの爽やかさ。くやしい。。。。 その勢いで“プロテイン”を検索。 レビューを読んでいるだけで、少し痩せた気がした。 ダイエットのスタートは、カレンダーではない。 胃袋の機嫌とタイミングで決まる。 決意はいつも、満腹の直後に訪れ、次の食事で終わる。 それでも、ほんの少しの罪悪感と反省が、 「次こそ」の火を灯していた。 まだ何も変わっていないけれど、 この日、確かに心が動き始めたのだ。 |